グループホームに入居される方は認知症を患っている方になる。そのため、グループホームで働く介護職員の方が抱える悩みの多くは認知症特有のものが多くを占めるのだ。中でも多いのが、同じことを何度も聞かれる、理不尽な言いがかりをつけられるといったものだ。認知症の方は長期記憶が難しいため、何度も同じことを確認することが多い。しかし、そのときに、さっきも同じことを聞きましたよ、と認知症の方に伝えると、また同じことを聞いてしまったのか、私はやっぱり駄目なんだとふさぎ込んでしまい、結果介護職員の方とお話することを拒むといった事例が見受けられる。それを防ぐためにも、何度同じことを聞かれても、ちゃんと質問に対して答えてあげることが対策として挙げられる。
2つ目の理不尽な言いがかりをつけられるという点だが、これも認知症特有の症状が関係している。認知症の方は失った記憶をつなげようと、脳が補正機能を働かすのだが、その過程で、無理なこじつけをしてしまう場合があるのだ。例えば、自分で財布を引き出しになおしたのにもかかわらず、そのことを忘れてしまい、介護職員の人に盗られたと考えてしまう。結果、見に覚えのない言いがかりをつけられるのだ。そういった際は慌てず、一緒に探してみましょうなど、冷静な行動を促すことが対応策として挙げられる。
また、認知症ケア専門士と呼ばれる、認知症ケアに特化した資格も存在するため、これからもグループホームで働いていくことを考えている介護職員の方はこの資格を取得することにより、より認知症への理解を深めることができるとともに、認知症に対して適切なケアが可能となる。